音楽についての音楽 - マーラー交響曲第6番イ短調
ここ数週間、マーラーの交響曲第6番イ短調ばかり聴いています。エッシェンバッハ/フィラデルフィア管を聴いてカラヤン/BPO、途中でバーシュタイン/ベルリンフィルの第9も聴いたりしながら、テンシュテット/LPOの第6...、と立て続けに、しかも爆音で聴いているので、周囲の住民からどう思われているかちょっと不安です...。
音楽についての音楽
マーラーの交響曲が語られるとき、音楽についての音楽 = メタ・ミュージック
という表現がよく使われます。小生も最近この表現の意味するところがわかってきたように思えます。
伝統的な楽曲形式を下敷にしながら、細部に到るまで計算された楽曲の緊密な連関を形作る中で、歌詞や標題と直接に結び付くことなく、このような世界観を音楽化することにマーラーは成功したのである。
ブルックナー・マーラー事典(東京書籍)
私の文章力・表現力の問題なのでしょうか。歌詞や標題と直接に結び付くことのない
この第6交響曲のすばらしさは、この作品そのものでしか表現できません。つまり、聴かなきゃ絶対わからんということです。
交響曲第6番イ短調
個性溢れる1つ1つの音楽が皆好き勝手に動いているようであり、しかし、全体を見渡せばそれ自体が1つの音楽で予測不能・自由自在にその姿を変えているようでもある。
目の前に現れたかと思えば、別のものによって見えなくなってしまう。そうかと思えば再び現れる。いや、現れたのはさっきとは別のものかも知れない。よく判らない。とにかく次に現れるものを欲する。
突然群れと成り音楽が自分に襲い掛かってきたり、何か形を成す・頂点に達するかのように思えた次の瞬間、強烈な打撃
が放たれ音楽がパニック状態に陥ったりする。
私が大好きだということ以外、何も伝わっていない気もしますが...、こんな印象を持っています。やっぱり聴かなきゃわからんのです。
よく聴くマーラー交響曲第6番イ短調のCD
エッシェンバッハ指揮、フィラデルフィア管弦楽団
ここでご紹介している中では一番新しい録音です。非常に洗練された演奏という印象です。
カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
重量感たっぷりの演奏です。
テンシュテット指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
一番荒々しさを感じる演奏です。
ブーレーズ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブーレーズの指揮は冷徹で洗練された演奏
という評価をよく聞きます。
金管楽器の迫力を楽しんで聴く他の録音が多いのに対して、この録音は弦の厚みを感じます。