魅せられる悪趣味ミュージカル - スウィーニー・トッド
映画 "スウィーニー・トッド ~ フリート街の悪魔の理髪師" を初めて観たとき、"こんなものミュージカルにするなんてソンドハイムって人はなんて趣味悪いんだ!" と思いました。しかし、2回目に観たとき、Pretty Women の甘味なメロディにすっかり魅せられてしまいました。
不思議なものでこの一曲好きになってからは次から次へと、どの楽曲もとても魅力的だと思うようになり、先日の青山劇場での舞台版を観劇してからは完全にハマリ、7月の神奈川芸術劇場の公演が待ち遠しい状態です。
[DVD] スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
終始どんよりした青色で画面が覆われ、ロンドンの怪しげな町並みを表現していて、まさにティム・バートンの世界といった感じです。舞台版ではちょっとひょうきんな表情も見せるミスターTですが、映画では完全に心を閉ざした自分を出さないスウィーニー・トッドに徹しています。ミセス・ラベットが可愛くはしゃいで歌う By The Sea ではそれが逆に滑稽でとても楽しませてくれます。
ジョニー・デップが歌った!
と話題になった映画で、ジョニー・デップの歌のうまさにも驚きましたが、歌声が本当にかっこいい!
SWEENEY TODD / Original Broadway Cast Recording
映画版のジョニー・デップの演じるスウィーニー・トッドが基準になってしまうと、このCDのトッドはちょっとダサいと思ってしまいます。それでも Kiss Me! など映画では聴けない魅力的な楽曲の数々が収録されていて、最近は毎日のように聴いています。
日本人キャスト版スウィーニー・トッド
市川正親 & 大竹しのぶ主演、宮本亜門プロデュース、4年前に初演、今年2011年5月から再演だそうです。
ソンドハイムのメロディを日本語にするのは無理なんじゃないかと半信半疑で観に行った日本人版スウィーニー・トッドですが、まったく違和感なく作品にのめり込むことができました。
"RENT" 松本公演で圧倒的な存在感を見せていたソニンが、またもその歌と演技に面食らってしまいました。出演することは知ってはいましたが、まさかジョアンナ役だとは思わなかったです。ソニンってこんな歌い方もできるんだっと驚いたのと同時に、もうすっかり実力派舞台女優なんだなと思い知らされました。