ミュージカル映画が熱い!(その1)
ミュージカル映画って、なんていうか、さっきまで普通にしゃべってた人が突然、満面の笑みで歌いだしたり、妙に違和感のある世界で、取っ付き難いイメージを持っていました。でも、映画 "シカゴ" を観て以来、私にとってミュージカル映画はもっとも興味あるジャンルのひとつとなっています。
シカゴ
挿入歌はすべて主人公ロキシー・ハートの幻想の世界として描かれ、従来のミュージカル映画のような不自然さをなくす、という斬新な手法で、近年のアメリカ映画界において、ミュージカル映画はヒット作に恵まれない状況が続いていたがそのジンクスを覆した作品とも評価されている
そうです。
スターを夢見ていた主人公ロキシー・ハートが愛人を銃殺、"キュートな殺人者" として新聞に写真が載り一躍有名人に...。
わたしは "セレブ" 誰もが顔を知っている有名人 誰もが知っているこの目 このヘアー この歯 オッパイに鼻 この前まで しがない自動車修理工の女房だった ロキシー 人殺しだって 今思えば立派なアート 絞首刑さえ うまく逃げれれば あの時の "ズドン!" が ツキの始まり ロキシー・ハートシカゴ挿入歌『ロキシー』より
報道のあり方に対するカリカチュアです。登場人物全員が "悪いやつ" で逆にそれがかっこいい!歌のシーンがロキシーの幻想だから、弁護士が操り人形になった報道記者を踊らせたり、映像的にもやりたい放題。
作品がまるでミュージッククリップ集のようでもあり、それがたまたま繋がってストーリーとなっているかのようにも観得ます。まさに音と映像の総合エンターテイメントです。
ヘアスプレー
最高にハッピーな作品です。"デブでチビなのは個性" といつも笑顔で力強く生きるトレーシーの姿は本当に元気付けられます。音楽も口ずさみ易いポップなR&B中心で、終始ノリノリです。
この作品は、個性の尊重と人種差別の2つのテーマを取り上げています。私が日本人だからなのか、人種差別問題が強調され過ぎているように思え、そこが少し違和感を感じました。
それでも、トレーシーがトイレから即席花嫁姿(素材はトイレットペーパー!?)で出てきたり、ベルマがたくさんのおもちゃにてんやわんやしながら必死で誘惑する様子など、笑いが絶えない作品だと思います。
ドリームガールズ
うーん、私には Soul がないんでしょうか。あまり楽しめなかった映画です。
ストーリーが複雑。複雑っていうレベルではないかも知れませんが、月9ドラマ並みの人間模様がミュージカル映画としてどうかなぁと思いました。観終ったら "あぁ、楽しかった" 程度のシンプルさがほしいです。
ムーラン・ルージュ
二コール・キッドマン、超色っぽい! でも、それだけ...。どうしても違和感ありありの独特な演出が気になって仕方ありません。
ただ、何回か観るとその違和感も徐々に慣れてきます。"私は娼婦なの、そういう生き方を選んだ女なの。だから嫉妬するのはやめて" というくだりは、男としては?かなり同情したりします...。