強烈!ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』
なんて趣味の悪いミュージカルなんだ!
側近だったにもかかわらずキリストを裏切ったユダがおまえは誰だ?
と歌うSUPERSTARを聴く度にいつもそう思います。
ただ、一人の人間、イエス・キリストの壮絶な最期というストーリー、また、特に劇団四季ジャポネスクバージョンの斬新な演出で観る異様な光景と音、その強烈な印象は脳裏に焼き付いて離れません。39回の鞭打ちのシーンでは、目を見開いたまま体が硬直して身動きひとつとることもできませんでした。
ミュージカルって楽しいなぁ、と思っていろいろ観て廻っていたけど、この作品を観たときはキツかった(笑)。
[DVD] ジーザス・クライスト=スーパースター
おそらくブロードウェイ版の演出をベースにしてのスタジオ収録DVDなのだと思われます。
狂信者シモンと群衆たちが、マシンガンを手に権力と栄光はあなたのもの!
とキリストを賞賛するなど、表現方法が直接的でわかり易いと思いました。知識ゼロの状態で劇団四季ジャポネスク・バージョンを観て、強烈な印象だけしか残っていなかったので、これを観てやっとストーリー全体を理解できました。
ただ、ヘロデ王登場シーンはちょっと残念です。この作品の中で唯一、顔がほころんで和めるシーンであってほしいのに、このDVDではヘロデ王を狂気じみた人と描かれてしまっています。劇団四季バージョンの印象が強いからか、もっときゃらんぽらんなおっちゃんであってほしかったです。
十字架に張付けられたキリスト一人を残して終わる劇団四季の演出に対して、このDVDの、十字架から降ろされ弟子たちに囲まれながら終わる演出は、やはりこの後に「復活」という物語があるということでしょうか。
[CD] Jesus Christ Superstar (Original London Concept Recording)
ミュージカル化される前の2枚組みコンセプトアルバム。キリスト役はディープ・パープルのイアン・ギランというのが面白い。っていうか、このCDを聞いたあと久しぶりに、ディープ・パープルのLIVI IN JAPANなどを聴いてみましたが、こっちのイアン・ギランの方がめちゃくちゃかっこいい!まさにロックシンガーの代名詞的な歌いっぷりです。