オーディオ環境?2007 (2007-01-03)

B&W CM7を購入

[模様替えした部屋の様子]

冬のボーナスで思い切ってスピーカB&WのCM7を買いました。前まで使っていた借り物のDIATONEが気に入らなかったわけではないのですが、やはり自分のスピーカがほしいと思い、以前からオーディオ雑誌で情報収集していました。

当初考えていたのは同シリーズのCM1でした。どの雑誌を読んでも評価が非常に高く、知人にもCM1は10万で30万の音を出すスピーカだとも言われていたからです。

しかし、実際にお店で音を聴き比べてみて、CM7の方が低音の出が良く全体的に広がりをもった印象を受け、こちらに決めました。そりゃ、価格も倍違うんだから良いに決まってるよっと突っ込まれそうですが...。

早速聴いたアルバム

マーラー交響曲第4番ト長調 / ノリントン指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団

スピーカ購入時お店へ持っていったCDです。視聴するときは普段から良く聴いているものが良いということでこれを持っていきました。

うーむ、お店で聴いたときの方がいい音だったような...。やはり、アンプとプレイヤーも買い替えか。いや、もうちょっと設置環境を検討してみよう。

マーラー交響曲第6番イ短調 悲劇的 / エッシェンバッハ指揮、フィラデルフィア管弦楽団

CDプレイヤーがSACD未対応にも関わらずマーラー演奏の最新録音だと思わず購入してしまったハイブリットCDです。

マーラー第6交響曲は、巨大なハンマーを打楽器として用いていることで有名ですが、CM7購入前までは、意識していないとどこで鳴ったかわからないくらいでしたが、CM7で聴いていたら、「ドガッ!」っと鈍い衝撃音が部屋に鳴り響いて、何事かと超ビビりました...。ただ、やはりこのハンマーは演奏の場における視覚的効果の方が大きいんでしょうね。

FIRST LIVE / 東京銘曲堂

テナー川嶋哲郎、ギター岡安芳明、ベース上村信のドラムレスのユニットで、ジャズスタンダード曲をまじめに丁寧に演奏しようというコンセプトで活動していると以前ライブで仰られていました。このアルバムは、このユニット結成前、かつ、結成のきっかけになったジャズ・クラブTOKYO TUCで行われたライブ録音です。

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テーマは「死」マーラー交響曲第9番ニ長調 (2006-12-20)

マーラー交響曲第9番は、私が今一番大好きな曲です。「大好き」というより、最も探究心が駆り立てられる音楽、と表現するのが一番相応しいかも知れません。手元のCDを数えてみたら、2006年12月現在でこの第9交響曲の録音CDは8枚もありました。マーラーに興味を持ってから半年も経っていないので、この数は多いと思います。 また最近はより深くこの曲を理解したいとミニチュアスコアまで買ってしまいました。

テーマは「死」?

この第9交響曲は、「死」を連想させると言われています。またここでいう「死」とは、マーラー個人の「死」ではなく、万人、世の中一般の「死」のことであり、マーラーが死の恐怖に怯えながら作曲したという説は誤りだというのが、伝記作家たちの見解だそうです。

しかし、この曲を聴いて本当に「死」を連想するのでしょうか。私はいつもCDのブックレットや解説書を片手に聴いているせいで、そういうものだと思って聴いていましたが、正直なところわかっていないかも知れません。

「引用」される対象は必ずしも形をなす旋律であるわけではなく、むしろ、ある内容と関わる音楽の特徴(たとえば節まわしや旋律構成のパターン)だけを引用するような手法が多用されており、それは特定の旋律の引用というよりは一般的な性格の引用と呼ぶ方がふさわしい。

ブルックナー・マーラー事典(東京書籍)

なるほど、誰もが知っているレクイエムや葬送行進曲のフレーズをそのまま引用しているのではなく、音楽的特徴だけを取り入れ、聴いている人はその印象、雰囲気から、無意識の内に「死」を連想させられるというものだそうです。日本のホラー映画に水がよく使われるのと似ていますね。

結局のところ、「死」を連想できる人は、西洋人または西洋文化を熟知している人ということになりませんか。 ヴァイオリニストの諏訪内晶子さんが現在フランスで生活しているのも、ヨーロッパ文化そのものを体感し、作曲者の意図を十分理解するためなのだとわかりました。 やはりマーラーの音楽をもっともっと理解したければ、ウィーンで生活しなきゃいけないんでしょうか...。

よく聴いているマーラー交響曲第9番ニ長調

小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏

最近はスコアを読み、DTM用シーケンサソフトで打ち込みなどしています。その際、一番参考になるのが、録音が一番綺麗で細部の音まで確認できるこのCDです。やはり日本の技術はまだまだ世界に通用するものだとつくづく思います。

レナード・バーンスタイン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏

このCDが発売されるまで、伝説の名演と呼ばれていた録音だそうです。所々バーンスタイン本人と思われる声が聞こえてライブ録音らしさが伝わってきます。

また、第3楽章は、苦悩と喧騒に満ちた、空しい現世の営みのカリカチュアなどと言われていますが、この説明に最も当てはまる演奏がこのCDの第3楽章だと思います。

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ノリントン/SWRによるマーラー交響曲第4番ト長調 (2006-12-10)

マーラー交響曲第4番ト長調

マーラーの第4交響曲は、マーラー作品の中でも比較的小編成で演奏時間も短いことから、昔から親しまれてきた作品です。日本でも1929年に初演、翌1930年には録音まで行われています。ただ、最近はそれほど人気がないらしく、あまり生演奏を耳にする機会がありません。

どうやら人々は、単純で明朗に見えるこの曲の正体、 メールヒェンの中に隠された「本当は怖い」ところに気づきはじめたようだ。

作曲家◎人と作品 マーラー(村井 翔 著)

私が読んだ解説書のほとんどは、第4交響曲は各楽章がいずれも伝統的な形式に対するパロディで、作品全体がアイロニー(皮肉)に満ちた古典交響曲である、と書かれています。確かに、第1楽章の混乱としか言いようのない、はっきり言って滅茶苦茶な、展開部が突然消え、ふわっと第1主題が現れるあたりは、大袈裟に再現させたなとすぐにわかるし、その知識のおかげで、私も知性溢れる芸術理解者になった気分で苦笑することができました。

しかし、アイロニカルだといつまでも鼻で笑いながら聴いていては、もったいない、と最近考えるようになりました。たとえ、君たちがこれから聴くものは、すべて本当ではないよ。と言われても、その本当ではない世界に入って行き、(騙されたまま)旅をし続けても十分楽しめる作品だと思います。とても親しみやすく、愛らしいフレーズでいっぱいですから。

ノリントン/SWRによるマーラー交響曲第4番ト長調

ロジャー・ノリントン指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団によるライブ録音CDを聴いていると、純粋に、この作品を愛さずにはいられません。

特に第3楽章。最初に現れる主題は、とても美しく胸が締付けられるくらい、いとおしくなりました。弦楽器からビブラートをなくした透明感のある響きは、シュトゥットガルト・サウンドと呼ばれ、ノリントン/SWRの特徴とされています。この主題はその透明感ある響きを強調させていると思います。

また、このCDのブックレットにはロジャー・ノリントン自身によるこの曲の解説があります。これがまた面白い。

解説といっても、楽典的な内容は皆無で、この曲に対するノリントン自身のイメージを、子供を主人公としたひとつの物語を語られているというものです。(それとも何らかの情報による裏付けのある標題なのかな?)

前述の第3楽章は、死の床についている子供の様子、その子に降りかかる出来事が語られています。クライマックスに差し掛かる突発と呼ばれている部分について、ノリントンの表現は、本当にこの物語を前提にしてマーラーが作曲したのでは?とさえ思えてきます。

そして彼の苦しみは再び始まる。 すばらしいパッセージで、彼はハイドン風のメヌエットによる自らの救済を耳にする(12:46)。 熱が上がり、彼は旋律の速度を二倍三倍にして奏で、そして14:46で疲れ切って倒れてしまう。もはや苦しみはなく、...(以下、省略)

ちなみに引用文中の数字はCDのトラックタイムです。

最近はもっぱら、研究者・評論家による解説を読み「ふむ、ふむ、なるほど、なるほど」などと、マーラーの交響曲を聴いていることが多い私は、自分の想像力の無さを痛感させられました。こんな想像力豊かにして聴けば、もっともっと音楽が楽しめるんだろうとも思いました。

参考資料

Written in 2006-12-10, Permalink, Comments(0)
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