Ain't No Mountain High Enough (2009-05-06)

オリジナルは Marvin Gaye & Tammi Terrel のデュエット、映画 "天使にラブソングを 2" のエンディングテーマに使われたことでさらに知られるようになった曲だそうです。私の場合、実はどちらのバージョンも先ほどネット検索して初めて聴きました...。

ミュージカルにハマって以来、今さらながら歌詞も気にするようになりました。

"越せない高い山なんてない 深い谷なんてない ... "、元気と勇気が湧いてきてこの先のどんな苦難でも立ち向かっていける、そしてそれを乗り越えられるような気がしてきます。

friends / 綾戸智絵

  1. TAKE ME HOME,COUNTRY ROADS
  2. SPINNING WHEEL
  3. HERE,THERE AND EVERYWHERE
  4. SUPERSTAR
  5. THE MAN I LOVE
  6. EVERY BREATH YOU TAKE
  7. AIN’T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH
  8. SENTIMENTAL JOURNEY
  9. CARAVAN
  10. LA MER
  11. BIG CITY
  12. ’ROUND MIDNIGHT
  13. AUTUMN LEAVES
  14. EL CONDOR PASA(IF I COULD)

ゴスペルとしても歌われる Ain't No Mountain High Enough ですが、この録音はまさに "ゴスペルってこういう雰囲気なんだろうなぁ" とわかる演奏です。

どうやって集めたのかよくわかりませんが素人さんらしい人総勢60人がメインで歌い、綾戸さんご本人は盛り上げ役に徹してします。うまいとか下手ではなくみんな思いっきり自分をさらけ出して歌っているのがすごく感動的で大好きです。

別アルバムでの言葉ですが、このクワイヤーたちについて綾戸さんは、60人集めたんではなくて、みんながひとりひとり集まって60人。そんな風に聞こえたらうれしいなぁ。と書いています。個性の尊重いう言葉を連想させられる録音です。

マリーン sings 熱帯JAZZ

  1. マシュ・ケ・ナダ
  2. フォーリン・ディープ
  3. ネヴァー・キャン・セイ・グッド・バイ
  4. ケ・イシステ
  5. アイル・ネヴァー・フォール・イン・ラヴ・アゲイン
  6. エイント・ノーバディ
  7. エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ
  8. マジック
  9. クッド・イット・ビー・マジック

アルバムのコンセプトをラテンと勝手に解釈してしまっているせいかもしれません、Ain't No Mountain High Enoughのトラックについてだけいえば、もうちょっとラテンっぽさがほしいと思いました。きっとオリジナルのイメージを崩さないようにアレンジしたのだと思います。

情熱的な歌いっぷりが印象的なマリーン。ラテン・ナンバーが中心のこのアルバムの発表はやっぱり嬉しいです。前作 ジャズ&アウト / マリーン meets 本田雅人B.B.Station ほど刺激的ではなかったけど、ずっと変わらないマリーンがまだこれから先も聴くことができると確信を持つことができました。

Soul Grooves / Paul Bollenback

  1. Too High
  2. Papa Was a Rolling Stone
  3. 'Til Tomorrow
  4. Beautiful Garden
  5. Blues for Joe D.
  6. My Girl
  7. Ain't No Mountain High Enough
  8. From a Dream
  9. (Sittin' On) The Dock of the Bay
  10. Visions

Ain't No Mountain High Enough - 歌詞の内容だけでなくこのタイトル名さえ無関心だったことに今とても反省しています。でも、それもこれもこのポール・ボーレンバックのギタープレイがかっこいいからいけないんです!

ポール・ボーレンバックは、学生時代もしかしたらウェス・モンゴメリーの次にたくさん聴いたギタリストかも知れません。強めのピッキングがフルアコらしい鳴りをこれでもかと聴かせてくれ、開いた口がふさがらないほどの超絶テクニックを披露し、しかし、音楽的にもセンスの良いフレーズをたくさん聴かせてくれるギタリストです。ちょっと誉めすぎかも...。

ポール・ボーレンバック (guitar)、ジョーイ・デフランセスコ (organ)、ジェフ・ワッツ (drums) のトリオに、ホーンセクションを加えた編成での録音です。8ビートで演奏されることが多いAin't No Mountain High Enoughですが、この録音ではいかにもジャズ・ミュージシャンらしい流れるような16ビートで聴かせてくれます。

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ミュージカル観劇レポート - "春のめざめ" (2009-05-05)

2009年5月2日、劇団四季によりミュージカル"春のめざめ"が開幕されました。

今までは正直、みんなそうしてるし...、とスタンディングオベーションしていました。今回は初めて自分の意志で立ち上がり感謝の気持ちで拍手させてもらいました。

テーマは"性"?

この作品が注目されることの要因の1つに"性"のテーマがあるけど、実はそれだけじゃない... などの前評判は聞いていました。しかし、"性"が注目されてもしょうがない。こんな直接的な表現だったなんて...、インパクトは大きかったです。戸惑ってるのは自分だけなのかと周りに座ってる人の表情を伺いそうになりました(笑)。

確かに"性"だけではありません。自分にも経験のある、肉体的変化・精神的変化への戸惑い、それによって起こる不安や怒り。表現が直接的だからなお、"自分だけじゃなかったんだ"と胸を撫で下ろすことができ、忘れかけていたあのころの気持ちが今になって救われました。

あと、まったく納得できない理由で罪を負うことになった主人公メルヒオールの気持ち、Totally Fucked。あれは思春期だけのことじゃなく大人になった今でも、何度も感じる気持ちです(笑)。"マジでファック!"と曲が終わった途端、「おっしゃー!」と、も~のすごいストレス発散になりました。

しきたりが存在しない演出スタイル

演出のマイケル・メイヤーは、今回は「しきたりが存在しない」と説明する。通常のミュージカルでは、歌が物語を進行する役割を担わなければならない。ところが、同作品ではミュージカル・ナンバーが歌われる間、劇中の時間の流れは止まる。

劇団四季ミュージカル"春のめざめ"プログラムより

歌は登場人物の内面を表現し、ミュージカルが敬遠される原因ともいえる不自然な"歌う台詞"は、この作品には存在しません。劇中、"この先公むかつく!"と思った次の瞬間、照明が切り替わり、内ポケットからハンドマイクが取り出され、ロック・シンガーと化した登場人物が胸の内をさらけ出す、といった表現です。

映画"シカゴ"のヒロイン ロキシー・ハートの幻想として音楽が現れる手法と同様に、ミュージカルになじみのない人でも絶対楽しめる作品だと思います。

[CD]春のめざめ オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤

RENT観劇での反省を生かし、ミュージカル観劇前にストーリーや楽曲など得られる情報は事前に得ておく方が、自分にとっては楽しめると考え、このCDもチケット購入後すぐに聴きました。

ロック・ミュージカルと言われているわりには楽曲に攻撃性はなく、正直音楽的には物足りなさを感じています。しかし、観劇後家に帰って改めて聴くと、劇中の特にTotally Fuckedの興奮が甦ってきました。ミュージカル・ナンバーのCDってやっぱりそういう楽しみ方なんですね。

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共感できる凡人の気持ち - "コントラバス" / パトリック・ズュースキント著 (2009-05-02)

"コントラバス"は、ときどき無性に読みたくなる不思議な魅力を持った本です。

映画化もされた小説"香水" (映画:パフューム)の著者、パトリック・ズュースキントの作家デビュー作。一人芝居用の台本として書かれたこの作品は、語り口調で読みやすく2時間弱、早い人なら1時間ぐらいで読み終わると思います。

... ほかの楽器が束になろうとかないっこないです。だいいちぼくらがいなかったら、なに一つ始まるはずがないんですよ。だれにでもきいてみてください。オーケストラは指揮者なんていなくても困らないけど、コントラバスぬきじゃ話にならないって、音楽家ならみんな口をそろえていいますから。 ...

"コントラバス" (パトリック・ズュースキント著、翻訳:池田 信雄, 山本 直幸)より

"大黒柱"、"縁の下の力持ち"とコントラバス奏者は、この楽器を演奏することに誇りを持っています。虚しいですよね。地味で目立たなくって注目されることなんてほとんどない。そんなことわかっていながらも、この楽器はすごいんだと言っているんです。

深い深いテーマもありそうですが、文学にうとい自分にはそこまで読み取れません。ちょこっと共感できて、読み終わると妙に満足している、そんな不思議な本です。

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味のある鳴り - 真空管プリメインアンプ TRV-88SE (2009-04-29)

【トライオード製真空管プリメインアンプTRV-88E写真】

プリント基板を使用せずすべて手作業によるはんだ付けの回路で組み上がっています。これを手頃な価格で提供できるのは、人件費の安い中国で生産しているからだそうです。ただし、部品はすべて日本から供給しているとのこと。

見た目よりずっと重量がありビックリしました。真空管アンプには大きなトランスが必要なのだそうです。それと実は...、このアンプ、ヴォリュームを完全にゼロに絞っても片側のスピーカから音が漏れます。これを"どないなってんねん!"とお店に持っていくか、"ま、中国製だから..."と折れるかは人それぞれ。私は後者です(苦笑)。いずれにせよ製品個体差はありそうです。

【我が家のオーディオシステム写真】
やっぱりラックに真空管があるとかっこいいっすよね(笑)。

日ごろメインで鳴らしているのはCM7とPMA-2000AEの組み合わせですが、ちょっと違う気分を味わいたいときにTRV-88Eを鳴らします。写真はいろんな機器が写っていますが、TRV-88Eを鳴らすときは以下の組み合わせです。

アンプ
Tri TRV-88E (ラック天板 中央)
スピーカ
DIATONE DS-100Z (ラック天板 左右)
プレイヤー
marantz CD4000 (ラック上段右上)

PMA-2000AEとCM7の組み合わせはどちらかというと優等生的な鳴りですが、このTRV-88EとDS-100Zは、味な鳴りで聴かせてくれます。ギターアンプでもよく言われますが、真空管アンプというものは基本的に癖があり、その癖が気に入るかどうかだと思います。私の場合、上の写真にも写っているエラや、サラ・ボーンといったやや古めのジャズヴォーカルを聴くときは、好んで後者の組み合わせで鳴らしています。

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これぞミュージシャン魂 - What’s Jazz?-STYLE- / akiko (2009-04-25)

発表するアルバムはどれもユニークで明確なコンセプトを持っているakikoさんですが、What’s Jazz?-STYLE-はその中でもakikoさんのミュージシャン魂が垣間見えるアルバムです。

What’s Jazz?-STYLE- / akiko

"What’s Jazz?-SPIRIT-"と双頭発売というコンセプトも面白いですが、ミーハーな私は、古き良きスタイルのこちらのアルバムの方が好きです。

・・・

一つだけ言わせてもらうけど
私だって、古いジャズを愛しているのよ
でも私は『今』を生きている
私にとって『ジャズ』とは スピリットのこと
『ブルース』や 『ソウル』や 『ロック』と同じようにね

それがジャズよ
だから私はこうしてジャズを歌っているの
そしてこれからも
私が『ジャズ』だと感じるものを歌うの
	

WHAT'S JAZZ?より(歌詞対訳:akiko)

ご自分の気持ちをストレートに表現しているように思えて、最後の 私が『ジャズ』だと感じるものを歌うの は特に好きです。

また、JAZZ ~ INTORODUCING "HOW HIGH THE MOON"も面白い。コード進行はHOW HIGH THE MOON、歌詞はakikoさんオリジナル。 エラはこんな風にキュートに歌ってるわ と名盤Ella in Berlinで聴けるスキャットを歌ったり、この有名なナンバーと、これをジャズ・ジャイアンツがどんな演奏してるかを紹介しています。すごく聴き入っちゃいます。

akikoさんの他のアルバムもお洒落でスタイリッシュで好きでしたが、このアルバムで、ミュージシャンakikoさんその人が好きになりました。

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