Ain't No Mountain High Enough (2009-05-06)
オリジナルは Marvin Gaye & Tammi Terrel のデュエット、映画 "天使にラブソングを 2" のエンディングテーマに使われたことでさらに知られるようになった曲だそうです。私の場合、実はどちらのバージョンも先ほどネット検索して初めて聴きました...。
- YouTube - MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL "Ain't no Mountain High Enough"
- YouTube - Ain't no Mountain High from the "Sister Act 2"
ミュージカルにハマって以来、今さらながら歌詞も気にするようになりました。
"越せない高い山なんてない 深い谷なんてない ...
"、元気と勇気が湧いてきてこの先のどんな苦難でも立ち向かっていける、そしてそれを乗り越えられるような気がしてきます。
friends / 綾戸智絵
- TAKE ME HOME,COUNTRY ROADS
- SPINNING WHEEL
- HERE,THERE AND EVERYWHERE
- SUPERSTAR
- THE MAN I LOVE
- EVERY BREATH YOU TAKE
- AIN’T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH
- SENTIMENTAL JOURNEY
- CARAVAN
- LA MER
- BIG CITY
- ’ROUND MIDNIGHT
- AUTUMN LEAVES
- EL CONDOR PASA(IF I COULD)
ゴスペルとしても歌われる Ain't No Mountain High Enough ですが、この録音はまさに "ゴスペルってこういう雰囲気なんだろうなぁ" とわかる演奏です。
どうやって集めたのかよくわかりませんが素人さんらしい人総勢60人がメインで歌い、綾戸さんご本人は盛り上げ役に徹してします。うまいとか下手ではなくみんな思いっきり自分をさらけ出して歌っているのがすごく感動的で大好きです。
別アルバムでの言葉ですが、このクワイヤーたちについて綾戸さんは、60人集めたんではなくて、みんながひとりひとり集まって60人。そんな風に聞こえたらうれしいなぁ。
と書いています。個性の尊重いう言葉を連想させられる録音です。
マリーン sings 熱帯JAZZ
- マシュ・ケ・ナダ
- フォーリン・ディープ
- ネヴァー・キャン・セイ・グッド・バイ
- ケ・イシステ
- アイル・ネヴァー・フォール・イン・ラヴ・アゲイン
- エイント・ノーバディ
- エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ
- マジック
- クッド・イット・ビー・マジック
アルバムのコンセプトをラテンと勝手に解釈してしまっているせいかもしれません、Ain't No Mountain High Enoughのトラックについてだけいえば、もうちょっとラテンっぽさがほしいと思いました。きっとオリジナルのイメージを崩さないようにアレンジしたのだと思います。
情熱的な歌いっぷりが印象的なマリーン。ラテン・ナンバーが中心のこのアルバムの発表はやっぱり嬉しいです。前作 ジャズ&アウト / マリーン meets 本田雅人B.B.Station ほど刺激的ではなかったけど、ずっと変わらないマリーンがまだこれから先も聴くことができると確信を持つことができました。
Soul Grooves / Paul Bollenback
- Too High
- Papa Was a Rolling Stone
- 'Til Tomorrow
- Beautiful Garden
- Blues for Joe D.
- My Girl
- Ain't No Mountain High Enough
- From a Dream
- (Sittin' On) The Dock of the Bay
- Visions
Ain't No Mountain High Enough - 歌詞の内容だけでなくこのタイトル名さえ無関心だったことに今とても反省しています。でも、それもこれもこのポール・ボーレンバックのギタープレイがかっこいいからいけないんです!
ポール・ボーレンバックは、学生時代もしかしたらウェス・モンゴメリーの次にたくさん聴いたギタリストかも知れません。強めのピッキングがフルアコらしい鳴りをこれでもかと聴かせてくれ、開いた口がふさがらないほどの超絶テクニックを披露し、しかし、音楽的にもセンスの良いフレーズをたくさん聴かせてくれるギタリストです。ちょっと誉めすぎかも...。
ポール・ボーレンバック (guitar)、ジョーイ・デフランセスコ (organ)、ジェフ・ワッツ (drums) のトリオに、ホーンセクションを加えた編成での録音です。8ビートで演奏されることが多いAin't No Mountain High Enoughですが、この録音ではいかにもジャズ・ミュージシャンらしい流れるような16ビートで聴かせてくれます。
[Perlメモ] HTTPアプリケーションで用いる日付フォーマットで出力するサンプルスクリプト (2009-05-05)
HTTPヘッダのLast-Modified エンティティヘッダフィールドなどで用いられる、
"Tue, 05 May 2009 14:24:27 GMT"
のようなフォーマットで日付/時刻を出力するサブルーチンです。
このフォーマットの詳細については、[Studying HTTP] HTTP Header FieldsのDateに関する記述を参考にしました。
1: # RFC 1123の形式で出力
2: sub DateTime_byRFC1123
3: {
4: my $ctime = $_[0] ? $_[0] : time();
5: my($sec, $min, $hour, $mday, $mon, $year, $wday) = gmtime($ctime);
6: $wday = qw(Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat)[$wday];
7: $mon = qw(Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec)[$mon];
8: return sprintf("%s\, %02d %s %04d %02d:%02d:%02d GMT",
9: $wday, $mday, $mon, $year+1900, $hour, $min, $sec);
10: }
time()
関数が返すような、1970年1月1日UTCからの(うるう秒を除いた)秒数を、引数として受け取ります。引数がなければ現在時刻を受け取ったものとして処理します。
使用例
上述のサブルーチンを使ってCGIでHTML文書を出力するの例です。
print "Content-type: text/html;charset=utf-8", "\n";
print "Content-length: ". length($Output), "\n";
print "Last-Modified: ". DateTime_byRFC1123( ( stat("./somefile.html") )[9] ), "\n";
print "\n";
print $Output;
簡略化のためこのスクリプトでは、変数$Output
の内容は、テキストファイル "./somefile.html" のHTML文書そのものとしています。
HTTPヘッダに "Last-Modified" を付加することで、クライアントは受け取った文書の最終更新日時も保持します。次にアクセスするとき、自身のキャッシュを呼び出すかまたは再度サーバへリクエストするかを、日時を元に判断します。クライアントが自身のキャッシュを利用してもらうことでサーバの負荷を軽減することができます。
また、余談ですが、 "Content-length" を付加することで、クライアントはこれから受け取る文書のサイズを事前に知ることができます。それによって、IEなどのクライアントソフトウェアは、"何%読み込み済み"のようなステータス情報を表記することが可能になります。大きなファイルを受け取る場合や回線の遅い環境での利用者にとっては、読み込みを待っている間のストレス軽減となります。
サンプルスクリプトの解説
上述のサブルーチンについて、できる限り丁寧に解説していきます。
4行目: my $ctime = $_[0] ? $_[0] : time();
この行では、変数 $ctime
の宣言と初期化を同時に行なっています。
$_[0]
は、顔文字ではありません。特殊変数と呼ばれる変数の一つです。Perlでは、サブルーチンへの引数は配列 @_
によって渡されます。その配列の先頭という意味で添え字 0 を与えて、 $_[0]
と記述しています。つまり、呼び出し元で &sub( 123 );
と記述した時の "123" が $_[0]
の値となります。
my
は、変数宣言で用いられる関数です。my $ctime
と記述することで、変数 $ctime
はレキシカル変数と呼ばれるこのサブルーチン内のみで有効な変数となります。仮にサブルーチンの外で $ctime
というグローバル変数があっても、このサブルーチンで用いられている$ctime
とは無関係です(別のメモリ領域が確保されています)。また、このサブルーチンを抜けたときに $ctime
が保持していたメモリ領域は解放されるはずです。
TEST_EXPR ? IF_TRUE_EXPR : IF_FALSE_EXPR
は、条件演算子と呼ばれる演算子を用いた記述方法です。if-then-else構文の短縮形として用いられることが多いです。$_[0] ? $_[0] : time()
は、" $_[0]
に値があればそれを、無ければ time()
の実行結果を" という意味になります。
5行目: my($sec, $min, $hour, $mday, $mon, $year, $wday) = gmtime($ctime);
日時をグリニッジ標準時(GMT)で表現するため、gmtime()
関数を用います。gmtime()
関数は、time()
関数が返す形式の時刻を受け取り、9要素のリスト値を返します。返されるリストの要素はCプログラムの構造体 struct tm に返された値そのもの
だそうです。この記述のようにPerlでは、リストコンテキストを関数の左辺に直接記述すれば代入がなされます。
また、 my
関数は、このようにリストコンテキストに対して記述することが可能です。
6行目: $wday = qw(Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat)[$wday];
"0~6" の曜日を示す数値を "Wed" のような文字列に変換しています。
qw( .. )
構文は、('Sun', 'Mon', 'Tue', 'Wed', 'Thu', 'Fri, 'Sat')
という記述と同じです。qw構文を用いた方が、タイプミスも少なく可読性も良いと、個人的には、考えており好んで使っています。
また、リストコンテキストは、直接後ろに添え字をつけることで配列と同じように取り扱うことができます。この場合、リスト中 $wday
番目の要素を取り出し代入しています。
スカラー変数 $wday
は、元々は整数が格納されていたはずなのに、この行で文字列を代入してしまいました。Perlでは変数にどんなデータ型でも代入できます。とはいえ、混乱を招くかも知れません。変数の内容が整数から文字列へというまったく違うデータ型に変換してしまうのは、私自身も好ましくないと考えています。代入する文字列の格納先は例えば、 $wday_byString
のように別名の変数を新たに宣言するのが教科書的かも知れません。ただし、このサブルーチン以外の記述もあることを考えると、取り扱う変数は極力少なくしたいという考えもあります。ということで、このサンプルのように "わずか数行で完結するサブルーチンだったら型の違うデータの代入も許す" という個人的記述ルールを設けました。要するに「見りゃわかんだろ」ということです。
7行目: $mon = qw(Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec)[$mon];
"0~11" の月を示す数値を "May" のような文字列に変換しています。テクニック的には6行目と同じです。
8~9行目: return sprintf("%s\, %02d %s %04d %02d:%02d:%02d GMT",
$wday, $mday, $mon, $year+1900, $hour, $min, $sec);
$wday, $mday, $mon, $year+1900, $hour, $min, $sec);
return
で目的の文字列を戻り値としてセットし、サブルーチンを抜けます。
sprintf
はフォーマット付き文字列を返す関数です。第1引数のダブルクォートで囲まれた文字列が指定するフォーマットを示しています。"%02d"
のように"%" から始まる文字列(フィールド指定子と呼ばれます)が第2引数以降のリストの要素1つ1つに置き換わります。"%s"
は文字列を指定し、 "%02d"
は2桁の数値文字列を指定します。
ミュージカル観劇レポート - "春のめざめ" (2009-05-05)
2009年5月2日、劇団四季によりミュージカル"春のめざめ"が開幕されました。
今までは正直、みんなそうしてるし...、とスタンディングオベーションしていました。今回は初めて自分の意志で立ち上がり感謝の気持ちで拍手させてもらいました。
テーマは"性"?
この作品が注目されることの要因の1つに"性"のテーマがあるけど、実はそれだけじゃない...
などの前評判は聞いていました。しかし、"性"が注目されてもしょうがない。こんな直接的な表現だったなんて...、インパクトは大きかったです。戸惑ってるのは自分だけなのかと周りに座ってる人の表情を伺いそうになりました(笑)。
確かに"性"だけではありません。自分にも経験のある、肉体的変化・精神的変化への戸惑い、それによって起こる不安や怒り。表現が直接的だからなお、"自分だけじゃなかったんだ"と胸を撫で下ろすことができ、忘れかけていたあのころの気持ちが今になって救われました。
あと、まったく納得できない理由で罪を負うことになった主人公メルヒオールの気持ち、Totally Fucked。あれは思春期だけのことじゃなく大人になった今でも、何度も感じる気持ちです(笑)。"マジでファック!"と曲が終わった途端、「おっしゃー!」と、も~のすごいストレス発散になりました。
しきたりが存在しない
演出スタイル
演出のマイケル・メイヤーは、今回は「しきたりが存在しない」と説明する。通常のミュージカルでは、歌が物語を進行する役割を担わなければならない。ところが、同作品ではミュージカル・ナンバーが歌われる間、劇中の時間の流れは止まる。
劇団四季ミュージカル"春のめざめ"プログラムより
歌は登場人物の内面を表現し、ミュージカルが敬遠される原因ともいえる不自然な"歌う台詞"は、この作品には存在しません。劇中、"この先公むかつく!"と思った次の瞬間、照明が切り替わり、内ポケットからハンドマイクが取り出され、ロック・シンガーと化した登場人物が胸の内をさらけ出す、といった表現です。
映画"シカゴ"のヒロイン ロキシー・ハートの幻想として音楽が現れる手法と同様に、ミュージカルになじみのない人でも絶対楽しめる作品だと思います。
[CD]春のめざめ オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤
RENT観劇での反省を生かし、ミュージカル観劇前にストーリーや楽曲など得られる情報は事前に得ておく方が、自分にとっては楽しめると考え、このCDもチケット購入後すぐに聴きました。
ロック・ミュージカルと言われているわりには楽曲に攻撃性はなく、正直音楽的には物足りなさを感じています。しかし、観劇後家に帰って改めて聴くと、劇中の特にTotally Fuckedの興奮が甦ってきました。ミュージカル・ナンバーのCDってやっぱりそういう楽しみ方なんですね。
共感できる凡人の気持ち - "コントラバス" / パトリック・ズュースキント著 (2009-05-02)
"コントラバス"は、ときどき無性に読みたくなる不思議な魅力を持った本です。
映画化もされた小説"香水" (映画:パフューム)の著者、パトリック・ズュースキントの作家デビュー作。一人芝居用の台本として書かれたこの作品は、語り口調で読みやすく2時間弱、早い人なら1時間ぐらいで読み終わると思います。
... ほかの楽器が束になろうとかないっこないです。だいいちぼくらがいなかったら、なに一つ始まるはずがないんですよ。だれにでもきいてみてください。オーケストラは指揮者なんていなくても困らないけど、コントラバスぬきじゃ話にならないって、音楽家ならみんな口をそろえていいますから。 ...
"大黒柱"、"縁の下の力持ち"とコントラバス奏者は、この楽器を演奏することに誇りを持っています。虚しいですよね。地味で目立たなくって注目されることなんてほとんどない。そんなことわかっていながらも、この楽器はすごいんだと言っているんです。
深い深いテーマもありそうですが、文学にうとい自分にはそこまで読み取れません。ちょこっと共感できて、読み終わると妙に満足している、そんな不思議な本です。
味のある鳴り - 真空管プリメインアンプ TRV-88SE (2009-04-29)
プリント基板を使用せずすべて手作業によるはんだ付けの回路で組み上がっています。これを手頃な価格で提供できるのは、人件費の安い中国で生産しているからだそうです。ただし、部品はすべて日本から供給しているとのこと。
見た目よりずっと重量がありビックリしました。真空管アンプには大きなトランスが必要なのだそうです。それと実は...、このアンプ、ヴォリュームを完全にゼロに絞っても片側のスピーカから音が漏れます。これを"どないなってんねん!"とお店に持っていくか、"ま、中国製だから..."と折れるかは人それぞれ。私は後者です(苦笑)。いずれにせよ製品個体差はありそうです。
やっぱりラックに真空管があるとかっこいいっすよね(笑)。
日ごろメインで鳴らしているのはCM7とPMA-2000AEの組み合わせですが、ちょっと違う気分を味わいたいときにTRV-88Eを鳴らします。写真はいろんな機器が写っていますが、TRV-88Eを鳴らすときは以下の組み合わせです。
- アンプ
- Tri TRV-88E (ラック天板 中央)
- スピーカ
- DIATONE DS-100Z (ラック天板 左右)
- プレイヤー
- marantz CD4000 (ラック上段右上)
PMA-2000AEとCM7の組み合わせはどちらかというと優等生的な鳴りですが、このTRV-88EとDS-100Zは、味な鳴りで聴かせてくれます。ギターアンプでもよく言われますが、真空管アンプというものは基本的に癖があり、その癖が気に入るかどうかだと思います。私の場合、上の写真にも写っているエラや、サラ・ボーンといったやや古めのジャズヴォーカルを聴くときは、好んで後者の組み合わせで鳴らしています。